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ドクターソルトの塩百科 〜 1.思想 〜
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| 塩って何なの? |
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ある辞書によれば、塩とは“塩化ナトリウム(NaCl)の俗称である”とのこと。でも、これは大きな誤解。私たちが生きていく上で欠かせない食用の塩は、地球生命の母なる海のエキスであり、実は私たちの血液と古代海水をむすぶ“ヘソの緒”だったのです。
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● 塩とは母なる海のエキス
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「海」という字は、「人」の「母」なる「水」と書きます。これに象徴されるように、地球の生命は太古の海で誕生しました。そして、その海は水と塩でできています。水が生命に欠かせないものであることは、誰でも知っていますよね。同じく、塩もまた私たちの生命に不可欠なものなのです。
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こんなふうに考えてくると、塩とは海のエキスである、ということになります。私たちは塩をとることによって、細胞たちが生活する内部環境を保っているのです。血液のことを 「血潮 」というとおり、まさにそれは内なる海だったんですね。
むかし、戦地でリンゲル液が足りなくなったとき、海水を薄めて点滴に使ったという話があります。それほど海水と血液のミネラル組成は似ているんですね。ケントンという生理学者は、犬の血を抜いて代わりに薄めた海水を注入するという実験を行いましたが、犬は無事であったばかりでなく、以前よりも元気になり長生きをした報告しています。
本来の塩は、水に溶かすと古代海水や血液のミネラル組成を再現し、内なる海を構成できるものでなくてはならないんですね。塩を食べるということは、消化管を通して生理的塩類溶液(つまりリンゲル液)を点滴しているようなものだったんです。溶かして点滴にも使えるような塩こそ、体に良い理想的な塩なのです。
ということは、「塩」と「塩化ナトリウム」は、まったく似て非なるものだったんです。確かに塩の主成分は塩化ナトリウムですが、あくまで主成分であって、それ自体ではないんです。米の主成分はデンプンですが、米とはデンプンである、というのは間違いですよね。
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● 地球の生命は海で誕生した
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はるか昔、太古の海で発生した単細胞生物は、海から直接に栄養物を摂取し、老廃物を排泄していました。ところが単細胞から多細胞へと進化するにつれ、生活の場である海に触れることができない細胞が出てきました。そこで、体内に運河を作って海水を引き込むようにしました。これが消化管や血管の始まりです。こうして動物の細胞たちは、消化管や血管を通して運ばれる体液(血液やリンパ液などの細胞外液)という内なる海で生活するようになったんです。
ここに、個体としては海という外部環境に依存しながらも、その個々の細胞は体液という内部環境に依存するという二重構造ができあがったのですね。こうして、動物たちは海から川へ、川から陸へと進出することができるようになったんです。その間、外部環境は大きく変化したにもかかわらず、細胞たちが暮らす内部環境は内なる海として、誕生当時の古代海水のまま保たれてきたのです。
不思議なことに、哺乳動物の胎児は羊水の中で、単細胞(受精卵)から現在までの進化の歴史を繰り返して産まれてきます。その羊水もまた内なる海なんです。この体液と羊水という二つの内なる海が、私たちと海の関係を雄弁に物語っているんですね。
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● 高血圧の原因は塩?
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健康のために減塩を!ということが今や常識となっています。特に、塩は高血圧症の原因とされ、まるで毒物であるかのような扱いを受けています。でも、これはとんでもない間違い! 地球の生命の歴史から見ても、そんなはずはあり得ません。
塩と健康について語る場合に、何と言っても注意しなければならないことは、塩とは何か?ということです。お医者さんや学者の方がいうのは、「塩とは塩化ナトリウムである」という前提に立っていることを忘れないでください。「塩をとりすぎると高血圧になる」というのも、正確に言うと、「高純度塩=塩化ナトリウムを片寄ってとりすぎると、高血圧症になる可能性がある」というべき。つまり、ナトリウムのアンバランスな過剰摂取こそが問題だったんですね。
確かに、塩にはたくさんのナトリウムが入っています。けど、塩化ナトリウム純度が低い昔ながらの自然海塩には、ナトリウムだけでなく、カルシウムやマグネシウムやカリウムなどのミネラルも同時に含まれているんですね。優良な自然海塩は、血液やリンゲル液のミネラルバランスに近いのです。こんな塩なら、ナトリウムの量は同じでも、その作用は大きく異なって、高血圧症の原因になったりはしないのです。
ナトリウムは塩にだけでなく、化学調味料(グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなど)をはじめとした多くの食品添加物にも含まれています。肉や魚などの動物性食品にも多く含まれています。逆に植物性食品には、ナトリウムと対になって働き、いっしょに排泄されるカリウムが多く含まれています。つまり、仮にナトリウムが高血圧症に関わっているとしてもです。短絡的に減塩するのではなく、塩の品質と食生活全体で考えることが、とっても重要だったんですね。
ナトリウムは決して、決して人体に害があるものではありません。それどころか、最も必要で安全なミネラルです。大切なのは、実は他のミネラルとのバランスだったんです。特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのバランスが重要です。塩の害をいうのなら、塩化ナトリウムの単独過剰摂取こそ問題にすべきなんです。
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